カニグスバーグ『800番への旅』最高!
カニグスバーグ作品にはいつも感嘆せざるを得ない。
アメリカには、こんなユーモアあふれ、さらにウィットに富み、後半には思わぬサプライズに感動させられる小説を書き続ける作家がいるのかと、わたしはこの歳になってカニグスバーグ夫人に心酔している。読み応えがあって、読者を裏切らない作品を読みたくなったら間違いなく私は彼女の小説を読むことにするだろう。
今回読んだ『800番への旅』もだけど、主人公は12歳ということが結構多くて、彼女も子どもを卒業する難しい年頃の子ども達にむけての物語を書きたいと語っていたらしいが、わたしは大人になった今だからこそ、彼女の作品のすばらしさを100%体感できていると思っている。
お父さんがラクダを飼っていて、ラクダと全米を旅して生活している!?だなんて、誰がそんな想定のお話思いつけるでしょうか!!というところから始まり、12歳のお年頃のアメリカ人の男の子の思考回路は日本人にはない感覚に楽しませてもらえるし、アメリカ的会話が私はたまらなく、小説を読むうえで好き。
800番と言うのが、日本で言うフリーダイヤル0120のことで、その電話オペレーターの仕事をしていたら、どんなことが起こる?という想像力。確かに、誰でもない自分から、誰かになりたい、誰にでもなれる
色んな考え方ができるってなわけで、この本を読んだ後に、上質なコーヒー豆の通販チラシを見て「電話0120-〇〇…24時間受付中」と書いてあるのを見て、どんな人が電話応対しているのかな??と
気になり一つの商品を購入する先にどんな世界があるのか、ということを想像すると全ての物が愛おしく有難く思えてきたりした。
なかなか仕事やら家の事が忙しくて本を読む時間をとる前に、寝てしまうことが多い今日この頃だけれど今年も素晴らしい文学作品と一冊でも多く出逢いたい!