”主婦”を考察するのが趣味みたいになってる
たまたま書店で、『主婦病』という小説を見つけた。
自称、”主婦”研究家のわたしとしては、主婦がこの小説でどう描かれているのか気になったが、買うまでの本なのか、というこれまたせせこましい主婦のごとく、いったん買わずに翌日図書館で借りて読んだ。
作者は、森美樹さんというコバルトなどで少女小説家としてデビューしたそうで、なるほど読んでみると、後篇2編ほどは少女小説チックな展開に納得する。
それにしても、「まばたきがスイッチ」の主婦の始めた仕事は、在宅ワークのノルマなし。残業なし。どんな仕事かと思いきや、テレクラなのね。トマトと割り箸が、こんなにエロいことに使われるとは・・・そして、母乳というのも男を興奮させる材料になるとは・・・きゃ~、なんていう世界!
というそんな話だけではなく、この小説は、”性と生”のヒリヒリとした切実さが描かれているちゃんとした小説なのだ。といっても、”主婦病”というタイトルの話はないわけなのだから、6編をまとめての単行本としてのタイトルが『主婦病』になったといういきさつは気になるところ。
わたしは、読み終わった直後、どこが「主婦”病”」なの?って疑問に思ったけれど、
帯には ――私も患っているのだろうか、「主婦という病」を。欲望、猜疑、嫉妬、そして諦め―― とある。
妻である女性が、夫や女友達との関係に悩みもがくというのは、主婦という立場を持っていると誰しもかかりうる病があるのだということだろうか・・・
主婦って、なんだかつまらない女というイメージがどこかしらある気がする。
だから、この小説に出てくる女性のなんだか悶得たり、言葉や態度にあからさまに出さなくとも、どうあがいても冴えない日々を送っているのを上手に表現するとしたら、それは彼女たちが”主婦”でもあるからだ、ということで、このタイトルをつけることになったのかもしれない。
読んだ後に、だるさを抱える小説は、面白い小説ではないけれど、読み応えはあるところで、落とし前をつけるといったところだろうか。
わたしは、主婦であろうとも、かったるい人生を送りたくないわ!!そのためには主婦を脱却する必要があるのかな・・・