『はだかんぼうたち』
昔は、CDのジャケ買いや本も表紙を見て直感で選ぶということをしたことがあったが、最近はめっきりしなくなってきたな・・・あらすじやレビューをみて選ぶとか、目的をもって選ぶことが多い。
だからたまにはジャケ買いして直感で本を選んでみようと思い立った。
と言っても、まずは最近の江國香織はどんな小説を書いているのかな、とふと気になり、江國の作品から選ぶことに。
するとありました。かわいいキューピーちゃんがちりばめられた白い表紙、しかも本のタイトルが『はだかんぼうたち』(角川文庫、平成28年刊行)と言うのだから、知的好奇心がむくむくとわいてきた。
裏表紙のあらすじを抜粋。
”年齢も境遇も異なる男女を通して恋愛、孤独、結婚の赤裸々な姿が浮かび上がる”
登場する大人たちの人生が、赤裸々に=はだかんぼう描かれるといったところだろうか。
読んでみて、ひと言で表現するならば”もたついた小説”であった。
登場人物たちは、もたついた感情を抱えながら、もたついてる素振りはしてないつもりだだけど、実際にはもたついた日々を送っている。
35歳の桃と、9歳年下のふわふわした彼氏(?)との会話。
「みんないつまでこんなことするのかしら」(途中略)・・・
「こんなことって、デート?セックス?男女交際?」
土曜日だし、場所も近いので、このあとはたたぶん桃の部屋に行くことになるだろと
と思いながら言うと、
「その全部」というこたえが返ってきた。「考えこんじゃうととか、突然淋しくなることとか、不安になることとか」と続ける。鯖崎は協力した。
「誰かに会いたいと思ったり、声を聞きたいと思ったり、そう思ったことに驚いたり、行動して後悔したり?」
「そうそう、そのとおり」
人って、こういう、たいていは、もたついて生きているものなんだ。
そう思ってそういえばここ数日のわたしももたついていて冴えない。
この小説を読んでいたからかな?
と小説のせいにしてみるわたしは、やっぱりもたついてる。